|2回目の転職はコロナ禍でした
長年勤めた広告代理店から外資系コンサルティング会社に転職し。1年半でもう一度転職をしました。プロパーで長年勤めた会社を1年半という期間で辞めたことには理由があります。コロナ禍での転職体験という貴重な経験の備忘録として記載しておこうと思います。
最初の転職後、半年が経つ2020年3月頃にはコロナによるリモートワークが始まりました。会社としては普段から海外との会議も多かったため、早々に完全リモートワーク化とオフィスへいくことが禁止になりました。元々自宅が大好きなので誰よりもリモートワークに向いている人間だと思っていました。自宅でワークする環境を作ることも楽しく、うまく働けるイメージしかなかったのです。
リモートワークが始まって数ヶ月、一日2回ほどの打ち合わせと多少のタスクがあるだけで余剰の時間が増えることとなりました。今考えると実際マネージャーも仕事の振り分けや業務管理をどうしたらいいのか試行錯誤している感もあったのだと思います。時間とタスクのバランスをうまくとることができない状況の中でモチベーション維持が難しく感じることも多くなりました。なぜだろうと考えた時、いくつか思い当たる点がありました。
・会社のリモートワークのスタイル
リモートワークを初めてしたから、ということもあるかもしれません。元弊社の会議スタイルは多数の参加者がいるにも関わらず、画面には資料が映るのみで誰かが顔を出していることもないものでした。最初はそれでもいいかなと思ったのですが、普段出社して同僚と顔を合わせて入ればまだしも、リモートワークでプロジェクトが変わった際も誰の顔も見ることもなく進める業務のスタイルがあまり自分に合ってないなと感じることが多々ありました。どうしてか、人間として仕事をしている感じになれなかったのもあるかと思います。
マネージャーはとてもよく見ていてくれたとも思うのですが、実際業務過多なところに個人の働き方の相談はとてもしづらく、それによって業務請負へのモチベーションは徐々に下がっていったのだと今なら感じます。
・コンサルという業務の構造について
これは業態として自分に合っていたのかという話にもなりますが、効率を突き詰めた結果マネージャーが現場監督としてパーツとしてのコンサルタントが自分の持ち場の資料を作成する(多くは細かい部分まで作り込みが指示される)形式の方法はことリモートワーク下ではなかなかしんどい作業でした。必要以外のMTGが設定されず(ちょっと相談する、がしにくい環境)議論というより一方的な指示が多くなり、間違いなく資料を作成するという作業屋になる、これは知らぬ間にモチベーション低下の要因になったのだと思います。
上記の様な理由から現状のまま働いていても自分のためにも会社のためにもならないという思いがありました。ちょうど良いキッカケもあったりで転職をすることと相成りました。
|仕事をやめるに当たって考えていたこと
1年半という短い転職後生活とコロナ禍という特殊環境での転職はかなり不安がありました。それでも転職することにしたのは、上記の様な理由からでした。いつまで続くかもわからない(結果半年以上たった今でもコロナの状況は改善しているとは言い難いです)状況の中で自分に適していないスタイルに合わせて生きていくことは自分にはとても難しく感じられたのです。この様なことを書くと、格好いいことを、なんて言われそうなのですが、実際に辛かったので、どの道我慢できなかっただろうなと思っています。
|全てがフラットになったとも言える。
コロナ禍で失業者が増えるという状況の中、よく転職したねという意見をよくいただきますが、実際に転職をした立場から言わせてもらうと全ての業界が不景気ということはあり得るはずもなく、実際にリモート環境になってから、ビデオ会議アプリのZOOMは急成長をとげましたし、成長している業界もあります。単純にUberEatsなんかもまさにそうでしょう。友人にも配達屋さんがたくさんいます。
転職活動の内容については、特別なことをしているというわけでもなく、転職サイトに登録して情報収集するところからはじめました。最初はキャリアを生かして、コンサル業界、広告関連系の業界という観点で考えていました。同時にコロナ禍での転職活動がうまくいかないことも想定して資格やMBAなどの武器作りに関しても色々調べることなどもしました。
ちなみに今年に入ってからプログラミングに興味を持ってpythonの認定資格をとりました。機械学習などの分野からデータサイエンスの範囲まで、コンサルの仕事をする中で興味を持ったので独学で勉強してみました。ちなみにこれを活かすかどうかの結論は自分の中で出ていて、プログラミングを仕事にするのは断念しています。最近はフリーランスのプログラマーは儲かるみたいな話がよく出ていて、事実人不足という事実はありそうですが、本当に稼いでいる人はプログラミングが好きで、マニアでプライベートでもそのことだかり考えているオタクなのだから、それと後発の自分が張っていけるのかと言われると自身はないのです。そしてそんなことを考えている時点でプログラミングを仕事にするのはリスクがあるなと思ったわけです。
その他の資格についても、やりたいことベースではなく、資格ベースで何ができるかという思考に陥ってしまうことが多かったため、一旦やめることにしました。(転職がうまくいかなかった場合、背に腹が変えられない状況に陥ったりすれば、変わっていたかもしれません。)
|転職がいいということではない。試行錯誤。
多くの転職エージェントからお声がけいただきました。コンサルでは、CRMを中心に扱っていたので履歴書もデジタルマーケティングやCRMのキャリアをピックアップして記載しました。
最初は同業他者への転職がとっかかりとしてやりやすかったので、コンサル系のエージェントとお話する機会が多かったです。ただし、元弊社はテストなどがなく、面接だけで入社できたこともあり、ゼロからコンサルの入社の勉強をすることになりました。
大きく分けると、フェルミ推定、GABテスト、面接の3つに分けられますが面接はすでに対策の必要もないのでフェルミ推定とGABテストに注力しました。フェルミ推定については、鍛錬を積めばできるようになるので数をこなすのが寛容です。マッキンゼーの試験対策本があるのでそれを勧められ、やっていましたが実際の面接はもう少し優しいものでした。コンサルBIG4などでも、1日のコンビニの売り上げ推定などのレベルです。きちんと推定の枠組みを10分で作り、答えを導き出せるか、という部分が大事になるのだと思います。
GABテストについては語学、計算、英語の3種類がありましたが、英語については半分できればいいとこでした。語学は少し勉強すればなんとかなる、計算については時間めいいっぱいで計算してなんとか、というところでした。大学生、こんな勉強してるのか。すごいな。
ちなみに一部コンサルの会社でも転職回数での足切りがあったりします。エージェントにも内資の会社は1年半という短期で転職を考えている部分を気にして書類で見送りになった会社もありました。が、基本のテストで落ちることはありませんでした。きちんと対策本を買って勉強してよかったです。
|コンサルではない選択肢
当初、待遇や仕事自体が嫌ではなかったこともあってコンサルを中心に探していましたが、意外な会社からもオファーをいただくことがありました。
具体的には日本経済新聞や株式会社ライオンなどデジタルマーケティングに力を入れている会社さんからCRMに力を入れたいということでお声がけいただくことが多かったです。実際、元弊社の方とお話する機会も何度かありました。
コロナ禍でも顧客との関係構築をスムーズに行えるよう、新しい取り組みのため人材を求めている企業は多くあり、その他にもスタートアップなども積極的に活動している感がありました。
|いい経験だった1年半
コンサル会社では社会人の最初にやるようなパワポの使い方からエクセルのショートカットまで、1というよりは0から再度叩き込まれた感じです。これはやっておいてとてもよかったことの1つ目です。
もう1つは進行管理とそれに紐づく仮定と論点の思考です。まずスケジュールを立てて、できそうかできないかの判断、これはとても大事でチームで業務を進めるために不可欠だと感じました。新しい仕事を初めても活用できそうなノウハウばかりを学べたと思います、そういう意味でコンサルでの1年半はとても実りのある時間でした。
結果、紆余曲折を経て外資系のプラットフォーマーへの入社を決めました。
転職活動を初めて約3ヶ月、広告会社やコンサル会社などいくつかの内定や最終面接などの機会をいただきましたが(もちろん最終面接で落ちた会社もありました。面接当日に連絡とかきてドライすぎて驚いた)このタイミングで世の中の動きから自身の身の振り方を考えたり、合間に株の勉強をして運用したり、一時転職活動をするのをやめたり、原神というゲームにどハマりして廃人化したり、普段できない経験を多くできた気がします。結局何が決め手になって転職を決めたのか読み解いてみようと思います。
入社を決めた時は、これが正解なのかと何度も考えましたが、なぜ今の会社を選んだのかを言語化すると以下のようなことかなと思っています。
・個人の裁量があるSMBビジネスへの仕事であること
外資総合コンサルという巨大な工場のパーツをしていましたが、リモートワーク環境でその生きづらさに無理が生じたこともあって全く逆のスタイルに妥当性を感じました。過去にも巨大なクライアントにたくさんで向かうよりも自身でコントローラブルなものを動かすのが向いていると感じたこともありました。ちなみにSMBは中小ビジネスの意味です。中小企業への対応へ領域を広げていく部門にジョインするということです。
・OKRを取り入れている企業であること
OKRとはGoogleが始めた目標管理のメソッドですが、この中で1on1でMTGをセッティングする必要性を説いていることもあり、取り入れた会社では1on1が盛んに行われる風土があるということです。元弊社では効率重視な風潮から、余計な時間を取ることが憚られる文化(少なくとも私はそう感じた)でしたが、新弊社は驚くほどフラットな風土の中でウェルカムなチーム作りをしていこうという姿勢を感じました(メンバーは顔を出してwebMTGをしています。もちろん強制ではありません)
|コロナ禍での転職はあり
結論、私の転職は成功だったと言えます。
まだ1ヶ月ですが、今の会社で頑張ろう、新しいことを学ぼうというモチベーションをもって仕事に取り組めており、やることも自分で見つけることができる環境を会社が提供してくれていることも大きいです。
ちなみにオンボーディング(入社手続き)は完全リモートでMacがアメリカから届きました。リモート環境でのチーム環境作りはとても緻密で手探りだけどフィードバックを常に行い、よりよくしていこうという意識が感じられます。もちろん待遇などの面での魅力もありつつですが、自分にとっての良い環境を見つけるということがとても大事なことを再認識させられました。正直、リモートか否かよりは、その環境下での関係性の作り方をどのように考えているか、これが今新たに重要な判断基準になってくるかと思いました。
実際に会うことができない人々と仕事をすることがこれから当たり前になるのですきっと。やりたいことより、それをやる環境、それもとても大事な時代なのではないかと思います。
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